国がつくった退職金制度
建設業退職金共済制度(建退共)といいます。
建退共は、現場で働く人たちのために、中小企業退職金共済法という国の法律に基づき運営されています。
これによって、福祉の増進と雇用の安定を図り、ひいては、建設業界の振興と発展に役立てることをねらいとするものです。退職金は、国で定められた基準により計算されて確実に支払われますので、民間の退職金共済より安全かつ確実な制度です。制度の運営に要する主たる費用は、国の補助でまかなわれますので、納められた掛金は、運用利息とともに退職金給付に充当されます。
業界全体の退職金制度
建退共は、労働者がいつ、また、どこの現場で働いても、働いた日数分の掛金が全部通算されて退職金が支払われるという仕組みとなっていて、労働者が次々と現場を移動し、事業主を変わっても、その先々の事業主のところで共済証紙を貼ってもらい、建設業で働いた日数は全部通算できるようになっています。
加入資格について
- 親方・事業主が申込みをして、従業員の掛金を支払う仕組みになっています。
- 現場で働いている職人ならだれでも加入できます。
- 掛金は国税申告の経費として差し引けます。(※事業主が従業員の掛金を負担した場合)
- 親方・事業主本人は加入できません。
- 一人親方の場合は、自分で直接「建退共」に加入することはできませんが、組合の「厚生協会」に加入することで、適用が可能になります。
掛金・証紙について
★共済契約者証
金融機関から「共済証紙」を購入するときに必要です。
★共済手帳
掛金助成手帳(労働者に交付される1冊目の手帳)
※掛金助成手帳のみ50日分の掛金助成制度が適用されます。(1冊目のみ200日分の共済証紙を貼付し更新)
2冊目以降の共済手帳
※共済手帳に250日分の共済証紙を貼付し次の手帳に更新します。
★証紙
1日券(310円) 10日券(3,100円)
退職金の早見表
年数(月数) | 退職金額 |
---|---|
1年(12月) | 24,192円 |
1年6月(18月) | 49,728円 |
1年11月(23月) | 78,624円 |
2年(24月) | 161,280円 |
3年(36月) | 241,920円 |
4年(48月) | 325,786円 |
5年(60月) | 414,087円 |
6年(72月) | 503,463円 |
7年(84月) | 600,231円 |
8年(96月) | 696,999円 |
9年(108月) | 793,767円 |
10年(120月) | 893,559円 |
15年(180月) | 1,409,319円 |
20年(240月) | 1,933,479円 |
25年(300月) | 2,474,439円 |
30年(360月) | 3,038,919円 |
35年(420月) | 3,641,031円 |
40年(480月) | 4,268,007円 |
退職金は建設業退職金共済制度で
建退共制度は、建設業の事業主が退職金共済契約を結び共済契約者となり、建設現場で働く労働者を被共済者とします。その労働者に交付される共済手帳へ労働者が働いた日数に応じ共済証紙を貼り、その労働者が建設業界の中で働くことをやめたとき、共済本部より直接労働者に退職金を支払うというものです。
公共事業の受注に有利
公共工事の入札に参加するための経営事項審査において、建退共制度に加入し履行している場合には客観的・統一的評価の対象として加点評価されます。